相談支援専門員の主な仕事内容とは
相談支援専門員は、障害のある方やご家族から相談を受けて、生活の課題や希望を聞き取り、最適な福祉サービス利用計画を作成し、その後も継続的に支援する仕事です。
現場の仕事は「調整役」としての側面が強く、パソコンでの記録・計画書作成や関係機関との電話・オンライン連絡、必要に応じた訪問が中心です。看護や介護の現場のような直接的な身体介助よりも、デスクワークやコーディネート業務が多いのが特徴です。
多分看護師や介護士として働いている人にとっては魅力的な言葉も多数出てくると思います。
働き方と勤務形態について
私の職場の場合、カレンダー通りの平日勤務で土日祝休み。お盆や年末年始もお休みがあります。
勤務時間は「9時~18時」が基本ですが、フレックス制で、訪問や自分の都合に合わせて出退勤時間を柔軟に調整可能です。
たとえば早朝に訪問が入れば、その分早く帰宅したり、家庭やプライベートの予定に合わせて途中でちょっとだけ抜け出したりと働き方を変えることもできます。夜勤やオンコールもなく、ワークライフバランスを大切にできる職場環境です。
私の職場に関しては、地方においては非常に整っています。
ほかの相談支援専門員全部が全部フレックス制というわけではありません。ただ、大前提として以下のような条件はほぼほぼ当てはまるでしょう。
- 夜勤はない
- 直接利用者に対してサービス提供(オムツ交換、採血等々)することはない
- 土日休み(土曜日出勤は会社によってちらほらあり)
- 事業所内において同僚(他の相談支援専門員)は1人~2人が大半を占める
相談支援専門員の一日の流れ|現場のリアル例
相談支援専門員の一日は「訪問作業」と「事務作業」に分かれます。
当然その二つがバランスよく入っている日もあればそうでない日もあります。
ここでは、それぞれの実例を時間入りでご紹介します。
訪問が立て込んだ一日(外出中心)
- 9:30
- 自宅でメールや予定を確認。訪問準備をして直接1件目の利用者宅へ到着
- 30分程度モニタリングとして話を聞く
- 10:00
- 1件目のお宅を出発、次の訪問まで微妙に時間があるため近くのコンビニで1件目の記録をパソコンでまとめる
- 10:20
- 次の利用者宅へ出発
- 11:00
- 2件目でサービス利用計画案の説明。ご本人やご家族の意向を再確認
- ここでも30分程度話をする
- 12:00
- 近くのコンビニで昼食を購入
- 車の中で今後の予定を確認しつつ昼食をとる
- ついでに近くの西松屋で子供用品を購入
- 13:00
- 車内で午前中の記録をノートPCでまとめて入力
- 同時に関係事業所と翌日以降の担当者会議について電話やメールで調整
- 13:00
- 一旦事務所に戻る
- 15:30
- 最後の訪問に行く前に市役所によって書類を提出
- 16:30
- 最後の訪問を行う
- 17:00
- 訪問終了
- 自宅に直帰、自宅で最後の訪問の記録を仕上げる
- 17:30
- 業務終了(すでに自宅)
外出が多い日は「移動中に頭を整理」「車内やカフェでパソコン作業」という自由度の高さが魅力です。
訪問のタイミングや記録作業も自分で組み立てやすいので、効率化もしやすいです。
訪問が少ない一日の流れ(事務・調整業務中心)
- 9:00
- 事務所に出勤。メールチェックと本日のタスク整理
- 9:15
- 他事業所とオンラインミーティング(事例検討)
- 利用者・ご家族・関係機関からの問い合わせ電話やメール対応
- 10:30
- オンラインミーティング終了
- 並行して進めていたこのオンラインミーティングの議事録を仕上げる
- 11:00
- 新規相談の受付、アセスメント準備や必要書類の確認
- 13:00
- 事務所で昼休憩。足りないので近くのスーパーで追加購入
- 14:00
- サービス担当者会議に出発
- 15:30
- サービス担当者会議終了
- 事務所に戻る
- 16:00
- 複数利用者のモニタリング記録・計画書作成などパソコン作業
- 18:00
- 明日の予定確認して退勤
事務中心の日でも、「今日は外出ゼロ」という日はあまりないです。というより、1日中事務所に缶詰めだと気が滅入るので、そのあたりも考えながら自分でスケジュール管理しています。
働き方のメリットデメリット
メリット
- デスクワーク中心で体力的負担が少ない
- 介護や看護のような身体介助はなし。パソコン作業や調整が中心。
- リモート・フレックス・スケジュール調整がしやすい
- 訪問や記録作業のタイミングを自分で組み立てやすい。リモート勤務も可能な事業所が増加。
- 夜勤・オンコールなし
- 基本的に夜勤や緊急呼び出しがない。ワークライフバランス重視派にも安心。
- 人間関係のストレスが少なめ
- 個人での外回りや事務作業が多く、職場内での人間関係のストレスは看護や介護に比べて少ない。
- カレンダー通り休めてプライベートも充実
- 土日祝や大型連休、年末年始も休みやすい。家族や友人と予定を合わせやすい。
※このあたりのノウハウ・テンプレートは今後noteや別記事で詳しく公開予定!
デメリットとその対策
- 自己管理力が求められる
- 自由度が高い分、訪問や記録を溜めると後が大変。
→タスク管理アプリやスケジュール帳で「見える化」し、毎日少しずつ処理するのがコツ。
- 自由度が高い分、訪問や記録を溜めると後が大変。
- 書類・パソコン作業が多い
- 人と話すだけでなく記録や計画書作成が必須。
→ パソコンやスマホで「その場でサクッと入力」し、溜め込まない工夫を。
- 人と話すだけでなく記録や計画書作成が必須。
- 看護師時代と比べてリアルに太る
- 圧倒的に活動量が違うので太ります。
- 利用者・家族・関係機関の調整で気を使う
- 間に立つ役割なので、全員が納得する調整が必要。
- → 経験とともに“相手の立場を考えた伝え方”が身についてくる。
- 事業所ごとの働きやすさに差がある
- 職場によっては人手不足などの問題も。
→ 転職時は必ず見学や面談で雰囲気・休み・残業の状況をチェック。
- 職場によっては人手不足などの問題も。
- そもそも人付き合いが苦手な人(もしくはしたくない人)は難しい
- 多くの人(学校の先生、事業所の職員、市役所職員、家族、利用者本人等々)と関わることはあるので、事務所内での人間関係以上にその他大勢との関わりが生まれます
→ビジネスとして合う人ばかりなので、仕事として割り切った関わりができるから逆に気を使わない
- 多くの人(学校の先生、事業所の職員、市役所職員、家族、利用者本人等々)と関わることはあるので、事務所内での人間関係以上にその他大勢との関わりが生まれます
どんな人に向いている?向いていない?
向いている人
- スケジュール管理や自己調整が苦でない人
- デスクワークや事務作業も嫌いじゃない人
- 外回り・人と話すことも好きな人
- ワークライフバランス重視派
向いていない人
- 機械的なルーティン作業や指示待ちが得意な人
- タスク管理や記録作業が苦手な人
- 対人調整や“間に立つ役割”にストレスを感じやすい人
【参考】サービス利用開始までの流れを知りたい方へ
※ここから先は、現場で実際に働いて「こういう流れだったんだ」と実感した部分です。
まずは仕事内容や働き方をイメージしてもらえればOK。
興味がある方だけ参考にご覧ください。
サービス利用の基本的な流れ
- 新規依頼(相談受付)
- 調査・アセスメント
- サービス等利用計画の作成
- サービス担当者会議
- サービス開始
- 定期的なモニタリング・計画更新
まとめ
相談支援専門員は、「デスクワーク中心」「リモート・フレックスOK」「夜勤なし」「カレンダー通り休み」など、看護師をしていた時代にあこがれた働き方が多数含まれており、そういったことにあこがれている人にとっては資格を活かして転職できる市場では魅力が多い仕事です。
一方で、自己管理力や記録作業、調整力も求められるので、“自分に本当に合っているか?”を、ぜひ一日の流れや働き方からイメージしてみてください。
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